車の買い替えついでにカーナビの新調を検討しましたが、地図更新に高額な更新料を払うのも、数年おきにナビを買い替えるのももったいない。
そこで、スマホを使った “地図更新永久無料” の最強のカーナビを作ってみました。
つくりかた
事前にこの商品のどちらかを購入しておきます。
今回は楽天スーパーセールの裏で密かにディスカウントセールをやっていたサイトで、SPH-DA05 のほうを格安の 10,800円で購入することができました。
アプリユニットとスマートフォンを接続する場合は、ケーブルは別売りなので忘れずに買っておきましょう。
僕は調子に乗ってバックカメラやステアリングリモコンユニットも買ったので、取り付けキットと合わせて 30,000円ほどになりました。それでも3万円です!
アプリユニットを取り付ける
車に SPH-DA05 を取り付けます。
と言っても、僕の場合は納車のときにディーラーさんに頼んで工賃無料で取り付けてもらいました。
スマホのroot化
スマートフォンをroot化(iPhoneの場合はJailbreak/脱獄 というやつ)します。
root化するとキャリアやメーカーの保証が受けられないので、不要になったスマホを使うことを推奨します。
なお、root化の手順についてはメーカー・機種ごとに違うので、ここでは割愛します。
非公式アプリのインストール
メーカー公式のアプリではなく、こちらの非公式アプリをroot化済みのスマホにインストールします。
AppRadio Unchained Reloaded
Area51 Advanced Technology¥3,475posted withアプリーチ
iPhoneの場合は、脱獄アプリの Appradio Extensions をインストールします。
アプリユニットとスマホを接続
SPH-DA05 とスマホを専用ケーブルで接続し、さらに bluetooth ペアリング設定します。
ペアリングが完了したら、先ほどインストールした非公式アプリを起動します。
これでスマホの完全ミラーリングができました。
できること
中身がスマホなので、スマホでできることはほぼ全てできます。(画面はハメコミ合成です)
カーナビ化
今回の技の最大の目的。
Googleマップ などの無料のカーナビアプリを使えば、地図更新の費用がかからず経済的です。
アプリユニット内蔵のGPSや車速度センサーの情報を利用することもできるので、自車位置の精度も格段にアップします。
これなら、トンネルに入ると「空を飛ぶ」なんてこともありません。
WEBサイトの閲覧
インターネットに接続してWEBサイトを閲覧できます。
中身がスマホなので、Chrome や Firefox などブラウザの選択も自由です。
2DINサイズ7インチの大画面なので、快適なWEBブラウジングが楽しめます。
写真/動画/音楽の再生
スマホに保存した写真や動画の視聴、音楽の再生ができます。
再生用のアプリも普段使っているものをそのまま使えます。
画像はSONYのWALKMANアプリ(数ヶ月前のアップデートで “ミュージック” にアプリ名が変わってしまいましたが…)。
音声はもちろん、車載スピーカーから出ますよ。
インターネットラジオや動画配信サービス
ネットラジオが聴けるので、ノイズの少ないクリアな音質でラジオを楽しめます。
例えば、radiko の有料会員なら全国どこのFMラジオ番組でも聴けます。
さらに YouTube や ニコ動、AbemaTV などスマホで再生できるものならすべてOK※です。
Wi-Fiホットスポット化
スマホのテザリング機能を使えば、車が走るWi-Fiホットスポットへと変身します。
これで、Wi-Fiモデルのタブレットパソコンや Nintendo Switch も車内で楽しめます。
ちなみに僕の環境では、後ろを走る車からでもWi-Fiの電波を拾えました。
などなど、これはもうカーナビを通り越して立派な 車載パソコン ですね。
注意すること
メーカーの公式な使用方法ではないため、以下のようなリスクが伴います。
端末の保障とセキュリティ
今回紹介する技では、スマートフォンの管理者権限を取得します。
iPhoneでは「Jailbreak/脱獄」、android端末では「root(ルート)化」と呼びます。
管理者権限を取得するとメーカーの保障が受けられなくなるほか、コンピューターウイルスの感染リスクが高まります。
また、取得に失敗した場合、端末の起動ができなくなる可能性があります(これを文鎮化といいます)。
文鎮化した場合の修理についても、もちろんメーカーの保障対象外です。
アプリの動作保証なし
使用する非公式アプリは全ての端末・OSバージョンで正常に動作する保証はありません。
3,000円以上する高価なアプリですので、購入にはそれなりの覚悟が必要です。
何もしなければラジオしか聴けない箱
今回使用した車載ユニット SPH-DA05 は、管理者権限を取得した端末と非公式アプリを使用しない限り、同種の製品の中では最低クラスの代物です。
スマホを繋がなければラジオしか聴けません。
CD再生すら不可能です。
購入した以上、意地でも完全ミラーリングを実現しなければ、本当に無駄な買い物になってしまうでしょう。
まとめ
3万円程度の出費でスマホと同スペックの車載パソコンが手に入るのですから、上記のリスクを冒すだけの意義は十分にあると思います。
不要なスマホがあるなら試してみる価値は十分です。
それにしても、パイオニアさんには「専用アプリのみ」なんてセコいこと言わずに、標準仕様で完全ミラーリングを実現してもらいたかったですね。
root化不要で全ての操作をアプリユニットのタッチパネルで行えていれば、この商品はきっと爆発的に売れたでしょう。
ドコモとの共同開発のため、継続的課金システムを放棄できなかったことで結局パイオニアの黒歴史となってしまったことは残念でなりません。
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